行政書士 軽部和夫 かるべ後見人事務所の法定後見

法定後見

既に判断能力が低下している場合に、本人の個別事情に応じて、家庭裁判所が適切な援助者(後見人・保佐人・補助人のいずれか)を選びます。 選ばれた援助者が、本人に代わって、契約などの法律行為や財産管理など必要な支援をします。

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  判断能力(※) 成年後見人等がすること
後見 日常に必要な買物も自分でできない状態の方 成年後見人は、本人に代わって、色々な契約を結んだり、財産を管理し(代理権)、また、もし本人に不利益となる契約や財産の処分などが行われた場合には、それを取り消すなどして(取消権)、本人が日常生活に困らないよう支援をします。
保佐 日常的に必要な買物くらいは単独でできるが、自動車の売買や自宅の増改築などは自分ではできない状態の方 保佐人は、本人が行う金銭の貸借や不動産の売買など一定の行為について、本人の不利益とならないかに注意しながら、それに同意をしたり(同意権)、後から取り消したりして、本人を支援します。また、場合によっては、本人の状況を考慮しながら、本人に代わって契約を結ぶこともできます。
補助 不動産の売買や自宅の増改築などは自分でもできるかもしれないが、本人のためには、誰かに代わってやってもらった方がいい程度の方 補助人は、相続手続など本人が望む行為について、代理権や同意権や取消権のうち本人が望む形を用いて、本人を支援します。

(※)上記の法定後見制度における判断能力はあくまで目安です。実際適用される場合は、医師の診断書・鑑定書に基づき家庭裁判所が判断します。


法定後見の事例

▼ 後見開始事例
本人の状況 統合失調症 申立人 叔母

本人は20年前に統合失調症を発症し、15年前から入院していますが、徐々に知的能力が低下しています。また、障害認定1級を受け障害年金から医療費を支出しています。本人は母一人子一人でしたが、母が半年前に死亡したため、親族は母方叔母がいるのみです。亡母が残した自宅やアパートを相続し、その管理を行う必要があるため、母方叔母は後見開始の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について後見が開始されました。そして、母方叔母は、遠方に居住していることから成年後見人になることは困難であり、主たる後見事務は、不動産の登録手続とその管理であることから、司法書士が成年後見人に選任され、併せて社団法人成年後見センター・リーガルサポートが成年後見監督人に選任されました。

▼ 保佐開始事例
本人の状況 中程度の認知症 申立人 長男

本人は1年前に夫を亡くしてから一人暮らしをしていました。以前から物忘れが見られましたが、最近症状が進み、買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか、わからなくなることが多くなり、日常生活に支障が出たてきたため、長男家族と同居することになりました。隣県に住む長男は、本人が住んでいた住宅が老朽化しているため、この際自宅の土地、建物を売りたいと考えて、保佐開始の裁判の申立てをし、併せて土地、建物を売却することについて代理権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について保佐が開始され、長男が保佐人に選任されました。長男は、家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け、本人の自宅を売却する手続を進めました。

▼ 補助開始事例
本人の状況 軽度の認知症 申立人 長男

本人は、最近お米を研がずに炊いてしまうなど、家事の失敗がみられるようになり、また、長男が日中仕事で留守の間に、訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまいました。困った長男が裁判所に補助開始の審判の申立てをし、併せて本人が10万円以上の商品を購入することについて同意権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て、本人について補助が開始され、長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。その結果、本人が長男に断りなく10万円以上の商品を購入してしまった場合には、長男がその契約を取り消すことができるようになりました。

(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から